阿部ひろみ

Vol.10 <7月1日>
みなさまこんにちは、いかがお過ごしですか?
 近年、季節に匂いがあることを、意識するようになりました。花の香りや雨の匂いなどと限定されない、もっと総合的な季節の匂いを感じるようになりました。「ああ、この匂いがする時には、どこそこに行っていたな。」とか「あの人と出会った頃の匂い」だとか、その匂いでくっきりと鮮やかに映し出される思い出があるのです。不思議なことに、この季節の匂いはどうも「世界共通」のようです。だから日本の岡山にいて、イギリスやカナダや行ったことのある場所に立っていたりしてしまうのです。そういう体験を何度かしているうちに、季節の匂いってあるんだなあと感じました。昔々の人たちも、同じ匂いを嗅いでいたのかもしれないなんて、勝手に思ったりしています。そういえば、東京にいた頃はあまり思わなかったから、やっぱり自然の匂いなんだろうなあ。もっと自然に近づいたら、新しい発見があるのかもしれないな。


旭町 「まきばの館」
 兎というのは鳴きもしないし、もちろん笑いもしない。それなのにかわいいと思う。かく言う私も兎がとことん好きだ。誰かに兎が守護神だと吹き込まれ、兎に関するあらゆる事に目がない。また会いに来てしまった。
   
有漢町 「石の風車」
 この場所に立った時、英国の巨大遺跡「ストーンヘッジ」を思い出した。梅雨の合間のさわやかな晴れた日だった。吹いている風の匂いまで似ていて、一瞬、本物の「ストーンヘッジ」の前にいるようだった。
   
加茂町 「矢筈山」
 連なる山々、赤い屋根のお家、川、水車、橋と描きたいモチーフが集約されたような場所だった。観光地に行かなくても、ふと通りかかった所に、心響くものがあるなんて、なんて素晴らしいのだろうと実感した。
   
作東町 「白水の滝」
 細い山道を行くと、女滝があって、もう少し奥に行くと、男滝がある。白水の名のとおり、空から真っ白い霧が降ってくるようだった。滝壺も、そこから下へ流れる川も、透き通っていて美しかった。
   
哲西町 「鯉が窪湿原」
 先日、北海道の「釧路湿原」に行って来た。あまりに広大で怖いかんじさえしたけれど、「鯉が窪湿原」は、ちょうどいい範囲に湿原があって、なんとなくほっとする。名前の通り、池にはたくさんの鯉が泳いでいた。
   
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