石原Dと平野アナが訪れたのは、岡山市南区の「山金(やまきん) 岡山店」。
- 石原D:
- 10年位前に新見から岡山に出てきたんですよ。懐かしいというか、あっさりしているけど、旨いスープ!
店内に入ると、三代目店主の池上さんが迎えてくださいました。
- 石原D:
- 岡山に出てきてからもうどれくらいですか。10年?
- 池上さん:
- 12年。13年目に入ります。
先代店主の池守道子さんが戦後に働いていた大衆食堂「山金」で、これからはうどんから中華そばの時代になると聞き、鶏ガラベースの中華そばをメニューに加えたのがはじまりです。
その味は地元の人たちの評判を呼び、昭和22年、「山金」は中華そば専門店として産声をあげました。
そんな山金の歴史を物語る、あるものを発見。
出前に使われていた「岡持ち」です。
- 石原D:
- これね、新見で使ってたやつ!お昼とか夜もこれで運んできてたんですよ。そのぐらい町に定着してた味なのよ。
創業以来、地元の味として、長年親しまれてきた山金。
新見にある本店では、今も出前が続けられています。
- 池上さん:
- お年寄りの方が増えましたから。本当をいえば非常にロスが大きいんですけど、おばあちゃん達に出来ないですとは言えなくてね。できる限りさせていただこうと。
それでは、いよいよ創業70年の味、「山金」の一杯を作っていただきます!
まずは煮干しの入った鍋に、丁寧に下処理が施された鶏ガラを投入。
そこに新見産こだわりの淡口(うすくち)醤油が入ります。
- 石原D:
- ここのスープは黒くないの。本当に黄金色!それが特徴なんです。
- 池上さん:
- 岡山の方が食べられたときに「塩ラーメンだ」というのはそこです。色がついてないから。
普通のラーメン店では、チャーシューの煮込んだタレを入れてスープを合わせます。
しかし、「山金」ではスープに直接、醤油を入れ合わせることで、余計な鶏以外の脂分が入りません。
完成した中華そばを見て、平野アナはスープの色の薄さに驚きます。
- 石原D:
- 醤油ラーメンって思わないでしょ。シンプルでストレート。でもそのよさがあるんです。さっき奥さんが「塩ラーメン」って言ったの分かるでしょ?
- 平野アナ:
- 醤油ラーメン頼んでこれが出てきたら、あれ?ってなりますよね。ダシ醤油って感じがします。おいしい!そしてチャーシューおっきい!
- 石原D:
- チャーシューがおっきいのはね、厚めに切りなさいっていうお母さんの遺言なの。
店長の池上さんが「岡山の麺屋さんに、特別に注文して作っている」という麺は、ちょっと太めでもっちり感があります。
- 石原D:
- どちらかというとけっこう角が立つような麺なので、さらっとしてる。だから、スープも2回かけてヒラヒタにする。麺がすごくさばけやすくなるので、スーッとすすれるの。
「山金」の中華そばには、かまぼこも入っています。
- 石原D:
- 日本がまだそんなに豊かじゃなかった時代に、どんぶりの中に入れてちょっと嬉しいなっていうのが、たぶんかまぼこだったんだよね。
- 池上さん:
- 食堂時代やっていた鍋焼きうどんを元に、母が中華そばを作ったんです。
- 石原D:
- うどんに改良を加えて、中華麺に合うスープはどうなのかなって考えたときにできたのがこれなんですよ。それがもう70年。だから平野さんは今、歴史を食べている!
- 平野アナ:
- すごい。想像もつかないです。
- 石原D:
- これから池上さん、どうします?もうちょっとがんばらないと。
- 池上さん:
- 母が82歳まで頑張りましたので、私はそこをクリアしたいなって。この店が100年続いたらいいと思っています。
戦後の材料がない時代に、美味しいものをつくろうとしてできた「山金」の味。
改良されながら今も続いている、まさに歴史の一杯です。
店舗情報
- 店舗名
- 名代中華そば 山金 岡山店
- 営業時間
- 11:00~21:00
- 定休日
- 月曜日、第三火曜日(祝日の場合は翌日)
- 駐車場
- 13台
- 住所
- 岡山県岡山市南区新保801-4
- 交通手段
- JR備前西市駅より徒歩約9分
- お問い合わせ
- 086-244-3137
地図