今日のパートナーは、ラーメン放浪記に初めて参加する平野アナウンサーです。
石原Dに「お店に行く前に着替えてください」と言われ、怪訝そうにしながらも言われた通り衣装チェンジ。石原Dと平野アナが着替えたのは、なんと学生服!照れながらお店に向かいます。「この格好をして行くことに重要な意味があるんですよ」と石原D。
訪れたラーメン店は岡山市北区奉還町の「浅月(あさづき)」。2代目店長の柳原速雄さんは、入店した石原Dの学生服姿に思わず苦笑。開店準備中の店長に代わって2代目女将の雅江さんに話を聞きます。
- 石原D:
- 「学生服着た人」の貼り紙ってもうないの?
- 雅江さん:
- 学生服は50円引きってやつですね。
学生服割引を考えたのは2代目。きちんと制服を着ている学生へのご褒美として始めたんだそうです。3代目の基秀さんは「自分より年上の学生服割引は初めて」と戸惑いながらも石原Dの学生服割引を快諾してくれました。
「浅月」は昭和23年(1948年)創業。今でこそ岡山のスタンダードといわれるとんこつ醤油ですが、ラーメンがまだメジャーな食べ物ではなかった昭和20年代に浅月が手本を示し、多くのラーメン職人が後に続いたのでした。
浅月の味を作った初代店長の上山さんは、「こんなのラーメンじゃない」と何度も客に怒られ、どうしたらいいかと悩んだそうです。客の声と向き合い、愚直に改良を重ねた浅月のラーメンはやがて地元に根付いていきました。
- 石原D:
- ここを食べないと、岡山のラーメンを本当に食べたっていうことにはならない。
- 平野アナ:
- じゃあ、まず最初の一杯目。私、初めてですからちょうどいいですね。
まさにお客さんと作り上げたとも言える浅月の味。その出汁に注目です。
出汁の素は豚骨、豚皮、うるめイワシの削り節、昆布、りんご、玉ねぎ、にんにく。最初の出汁は色が薄く、さらに材料を追加して漉すことで色が濃くなっていきます。
二段階に分けて漉すことで得られる濃密な出汁。特別に味見をさせていただきました。
- 石原D:
- あ!思ったのと全然違う。サッパリしている。以前はね、もっとコッテリ感があって口に油が残ったんだけど。
それでは進化した浅月のラーメンを作っていただきましょう。
カエシはチャーシューを炊いた特注の醤油とみりん。そこへラードを加えます。
麺は自家製の中細麺。うどんのように大釜で茹でるのが老舗ならではの風格です。
浅月伝統の出汁をカエシとあわせ、スープを作ります。
チャーシューは豚のロース肉。焼き色をつけてタレに漬けて炊きます。多いときは1日に30キロも仕込むそうです。肉の旨みと脂の甘みが堪能できる王道のチャーシューです。
平ザルで湯を切った麺がどんぶりに入り、チャーシューやネギなどを盛り付けて、ついに中華そばの完成です。
- 石原D:
- 学生服割引で50円引いてくれるから、中華そばの680円が630円ってことになる。
- 平野アナ:
- 学生服着てきた甲斐がありましたね。
- 石原D:
- 少々無理があったけどね。
浅月のスープはこげ茶を少し薄めたような色をしています。豚骨の香りはもちろん、野菜や魚介系の味が細かくなめらかに入っています。
- 石原D:
- これだけ油が乗ってるのに、舌とかにまったく残らない。でも昔のコクがそのまま残っている。
3代目の基秀さんは「幼い頃から食べていた味を基本は変えず、今の人の感性に合わせたものを取り入れながら少しずつ進化していきたい」と語ってくれました。
- 石原D:
- この空間がもうじき70年になるわけですよ。ここから外に見える風景はすごく変わったと思うけど、おいしいものを作ろうって気持ちはここの中にずっと変わらず生きている。そういうのを感じるとラーメン屋さんって愛しくなるんだよな。
お客さんの声に向き合い、洗練されてきた味。みなさんもぜひ食べてみてください。
店舗情報
- 店舗名
- 浅月 本店
- 営業時間
- 10:30~20:00
- 定休日
- 木曜日
- 駐車場
- なし
- 住所
- 岡山県岡山市北区奉還町2-5-25
- 交通手段
- JR 岡山駅西口より徒歩約5分
- お問い合わせ
- 086-252-1400
地図