今日のお店はスープのないラーメン屋さんです。ラーメンという概念はスープありきではなく、中国ではタレだけ混ぜて食べるものが多いのです。石原Dと渡壁さんが訪れたのは、岡山でおそらく初めて出来た「油そば」と名乗るお店、「油そば めんらく亭」の岡山店です。
油そばは昭和30年代、東京武蔵野地区の学生街で生まれたと言われています。岡山・香川では聞きなれないですよね、「油そば」。
店長の芦田さんは津山出身。ラーメンの修行を積もうと上京し、油そばを知りました。
この味はきっと岡山の人たちにも喜んでもらえる!そう確信したとき、めんらく亭のオーナーと出会い、油そば職人になったのです。
カウンターの上にある調味料のセットには、酢、ラー油、魚粉、それからニンニク入りとニンニクなしの唐辛子がありました。基本的に酢とラー油を入れて食べますが、味に決まりはありません。これらを自分好みにかけて食べるのです。
使用する麺は中太のちぢれ麺。茹でる間にどんぶりの準備です。
味の決め手のタレ。そしてその名の所以である油。ここまでは普通のラーメンと同じですが、お出汁のスープは入りません。
それでは、麺が茹で上がるまでの間、食べ方をレクチャーしましょう。
- 石原D:
- 酢とラー油を1周半から2周かける。タレがすべての麺に絡むようにしっかり混ぜる。そして熱いうちに食す。
- 渡壁:
- 油そばは混ぜないとダメなんですね。
- 石原D:
- 納豆と油そばは混ぜたほうがいい。
納豆と油そばはよく混ぜるべし!
待つこと5分。茹で上がった麺は、スープのないどんぶりの中へ。しなちく、チャーシュー、そして刻み海苔をトッピングします。
これがめんらく亭の油そば。まさにスープのないラーメンです。
石原Dが渡壁さんに「早く食べて!」と急かします。渡壁さんは油そばに酢とラー油をそれぞれ1周半かけました。
- 石原D:
- それでもう混ぜる!混ぜる!混ぜる!混ぜる!混ぜる!急いで混ぜる!
- 渡壁:
- そんなにスピード勝負なんですね?
- 石原D:
- そのほうが美味しい!
石原Dが渡壁さんの油そばを大きくかき混ぜると、ちょっとしたパスタに早変わりしました。
- 渡壁:
- いただきまーす。んー!新しい!スーっと入ってくるんですけど、この最後のピリっとした辛さと、醤油のコクですかね?
- 芦田さん:
- 秘伝のタレです!
- 石原D:
- たぶん、食べ口が軽いのは植物油だろうと思うんですよ。動物系のものはあまり入ってないでしょ?
- 芦田さん:
- あんまり入ってないですね。タレにしか動物系の油は入ってないです。
魚粉をふりかけて、油そばを自分好みの色に染めていきます。
- 渡壁:
- うん、これ美味しい!すごく今度はコクが出て、味に深みが増しますね!
さらにラー油を足して、酢も足して、唐辛子もひとかけ。渡壁さん、辛いの好きなんですね。しかし、その油そばを口にした渡壁さんに衝撃が走ります。
- 渡壁:
- 入れ過ぎた...。
笑いながら「辛い」と渡壁さん。
- 石原D:
- こういうお店は何回も通って自分でちょっと試しながら、自分の世界の中にラーメンを取り込んでいくというのがラーメンを愛する人の道につながるわけですよ。
- 渡壁:
- 勉強になりました。
トッピングの一番人気は、温泉たまご。たまごのまろやかなコクをしっかり絡めていただきましょう!
- 石原D:
- 食べるーって感じでしょ?ぐるぐるまわしてさ。
- 渡壁:
- 本当にガッツリ食べてる感じ。
- 石原D:
- ある意味、「食べてる」感は普通のラーメンよりスゴイかもね。
食べ応えがあるうえに、油はヘルシーな植物油。心地よい満腹感に満たされます。油そばはきっと岡山の食文化に根付くことでしょう。
3年経って、油そばの認知度が上がってきた実感はあるそうです。昼は常連のサラリーマンの方が増えたと芦田さん。
今後、スタンダードなラーメンを出す予定はあるか、渡壁さんが尋ねます。
- 芦田さん:
- いまのところ考えてないですね。
- 渡壁:
- 油そば一本?
- 芦田さん:
- はい。
- 渡壁:
- かっこいいですね!
ぜひ、みなさんもオリジナルの美味しい食べ方を追究してみてください。
店舗情報
- 店舗名
- 油そば めんらく亭 岡山店
- 営業時間
- 11:00~20:00
- 定休日
- 不定休
- 駐車場
- なし
- 住所
- 岡山県岡山市北区表町2丁目2-6
- 交通手段
- 路面電車「県庁通り」電停から徒歩約2分
- お問い合わせ
- 086-224-7888
地図