今回、石原Dと渡壁さんが訪れたのは岡山市北区今。女性にも人気のとてもきれいなラーメン店「小紫(こむらさき)」です。戦後すぐからあるお店ですが、時代は変わり、まるで高級お寿司屋さんのような外観になっています。
まず目に留まったのはスープ。店主の林さんは朝の3時半から仕込んでいました。睡眠時間はおよそ2、3時間。それが毎日続きます。「働き者ですね」と渡壁さん。
さて、小紫の創業は60年前。そのルーツはラーメン通にはよく知られる、鹿児島にあるラーメンの名店「こむらさき」だといいます。
石原Dが一番謎に思っていたのは、小紫という屋号と店の味が鹿児島の味であること。
- 石原D:
- しかも昭和28年だよ。昭和28年に開店したお店がなんで鹿児島と関係あるのか、ずっと僕は不思議に思ってた。
林さんの先々代にあたる樋口米作さんは、戦争中に仕事の関係で台湾に行っていました。終戦を迎え、台湾から最初に戻ってきたのが鹿児島だったそうです。そして、鹿児島にある「こむらさき」で働いたり、台湾式ラーメンの作り方をレクチャーしたりしました。そのお礼にこの味を教わり、岡山に帰ってきて、昭和28年に柳川で開店したのが始まりなのだそうです。
小紫の味は、先々代が台湾で覚えた味と鹿児島の名店「こむらさき」の味との奇跡のコラボレーションだったのです。
厨房に入り、ラーメンの真ん中に乗る肉味噌を見せてもらいました。石原Dはこれを「命」だと言います。普通の肉味噌とは異なり、ミンチ肉・ねぎ・しいたけなど、約20種類もの具材が入った台湾式の肉味噌なのです。
- 石原D:
- ここにね、日本の戦後の歴史が詰まってる。台湾から鹿児島に行って、鹿児島にもその姿が残り、しかも岡山にも残ってる。すごいだろ。ロマンですよ、これは。
小紫のスープは鮮度を守るために一切継ぎ足しを行わず、豚骨と鶏がらのみを毎日炊いています。そのため、臭みもなくあっさりとした上品な仕上がりになります。
これに魚介系を加えた特製塩ダレ、肉味噌を煮込んだ際に出る脂、そして鹿児島ラーメンの特徴ともいえるたっぷりのキャベツともやし、お持ち帰りも大人気という厚めのチャーシュー、ラーメンの肝ともいえる肉味噌が乗ればできあがりです。
こちらがその塩ラーメンです。「まずは普通に食べてください」と石原D。
- 渡壁:
- おいし~い!いろんな旨味がぎゅっと口の中で、この肉味噌と一緒に。
- 石原D:
- そうそう。肉味噌をちょっと溶いて飲むと、また全然違いますよ。
そして今度はスープに肉味噌を溶いて食べます。
- 渡壁:
- あ!今度はスープに。なんていうんですか?パンチ?
- 石原D:
- パンチが出てくる。麺がね、軽くってちょっとふわ~とした感じなんですよ。これがまたね、この白いスープに合うの。
- 渡壁:
- ん~!この肉味噌と、お野菜と、絶妙!!おいしいですね。
ボリューム感たっぷりのチャーシューもいただきました。
- 渡壁:
- うわ!口の中でとろけますね!ジューシーなんですけど、あっさりしてまして、チャーシューだけ買いに来られる方がいらっしゃるっていう理由がわかりましたね。
石原Dは店主の林さんに尋ねます。
- 石原D:
- ご主人どうですか?自分でこの味を受け継ぐ形になったんですけど。
- 林さん:
- そうですね。ほんと時代遅れの味なんですけど、せっかく60年続いた暖簾なんで、これからも大事に守っていきたいですね。
- 石原D:
- でも時代遅れじゃなくて、時代が回ってきていて、また新しくなっていると僕は思う。ほんとに。
ちなみに、このお店はマンションの1階にあります。しかし、今は空き部屋が無いそうです。
- 石原D:
- リーズナブルな値段になってますんでね。もし、空いたらみなさん、住んでみてくださいね。毎日ラーメン食べられるから。いや、タダじゃないよ。
店舗情報
- 店舗名
- ラーメン小紫
- 営業時間
- 11:00~18:00 ※売り切れ次第終了
- 定休日
- 日曜日
- 住所
- 岡山県岡山市北区今4-7-16
- 交通手段
- 北長瀬駅から徒歩約16分
- お問い合わせ
- 086-241-2006
地図