今回のラーメン放浪記は、岡山県の中西部、井原市にやってきました。すぐ隣は広島県。ここは、両県の食文化の交流地点でもあります。そして井原は、完全に福山や尾道のラーメンの系統がメインで、そこへ笠岡ラーメンがやってきたというわけです。
訪れたのは井原市中心部、田中美術館のすぐそばの笠岡ラーメン「中華そば 笠北」。
ご主人の北田さんは、笠岡ラーメンの元祖とも言える名店「坂本」で修行したあと、2016年1月に、生まれ故郷の井原にお店を構えました。
白衣といかついご主人のお顔、笠岡ラーメンの王道を行っています。
- 石原D:
- 渡壁さん、笠岡ラーメンと言えば今炊いているこれ。鶏のももで、このタレを甘辛く煮て、それをスープにも使うし、チャーシューにも使う。全国でもここしかない。
これぞ笠岡ラーメンの真髄、鶏。親鳥の鶏ガラをじっくり煮込んだ淡麗スープ。ブレンドした特製醤油で鶏もも肉を煮込んだタレ。そしてその煮込んだ鶏もも肉も鶏チャーシューに。さらにそこからとれた2種類の上質な鶏油(チーユ)とまさに鶏、鶏、鶏づくしです。
元々この井笠地区は養鶏が盛んで、「かしわ」が安く手に入る環境でした。そこから笠岡ラーメンが始まったと言われています。
ここでご主人の北田さん、師匠である正統派笠岡ラーメン「坂本」から受け継いだ秘伝の「もとダレ」を特別に見せてくれました。
「これがもとダレ。凄い」特別に味見をさせていただいた石原D、「軽い。こなれてる。じ~んとくる」と感動しきり。
親鳥の旨味がまるごとつまった全国にも類をみないご当地ラーメン。いよいよ試食です。
- 石原D:
- きましたよ。まごうことなき笠岡ラーメン。
かしわのチャーシュー、笹切りのネギ、そしてメンマ。 - 渡壁:
- 鶏一筋にこだわってきたスープ。やさしい味で甘さがほんのりあって、最後にふわっとコクというか、後味の余韻が。あー、美味しい。
笠岡ラーメンって、毎日食べられる感じのラーメン。それがないとダメと石原D。
続いてかしわをいただく渡壁さん。
- 渡壁:
- 歯ごたえがいいですね。スープとまた真逆で今度は味がしっかりして、旨味がまた噛めば噛むほど出てきて、合いますね。
そしてご主人おすすめ笠岡ラーメン通の食し方、カシワのチャーシュー、笹切りのネギ、メンマを麺・スープと全部混ぜ込んで一気にいただきます。
- 渡壁:
- ネギと鶏と麺を一緒に食べると、それぞれの旨味がマッチしてます。好き。美味しい!
正統派笠岡ラーメン店で修行し、継承した伝統の味で井原市に新しい食文化を作りたいという北田さん。まったくブレのない実直な仕事ぶりが、しっかりと丼の中に息づいていました。
「北田さんは、ラーメン屋さんに生まれてくるための人生だったのかもしれない。笠岡ラーメンを井原のど真ん中にやろうっていうのがすごい。この井原、笠岡エリアのラーメンの歴史を作っている人」と石原D。
今では地元の方にも受け入れていただいている実感もあると北田さん。
「いまやらねばいつできる わしがやらねばたれがやる(平櫛田中)という気持ちでやってます」
食文化の交流地点、井原市にやってきた新たなラーメンの味。今後の進化に期待大です。
店舗情報
- 店舗名
- 中華そば 笠北
- 営業時間
- 10:00~14:00
16:00~19:00 - 定休日
- 金曜日
- 駐車場
- あり
- 住所
- 岡山県井原市井原町323-4
- 交通手段
- 井原鉄道井原線 井原駅 徒歩約15分
- お問い合わせ
- 0866-63-4422
地図